深夜のコンビニ人間観察記
今度はコンビニの夜勤をテーマに落語を作ってみました。深夜のコンビニって、昼間とは違った独特な世界がありますよね。変わったお客さんも多いし、店員さんも大変だと思います。まあ、私は夜勤のバイト経験はないんですが、想像力でなんとか。今回は現代の若者言葉でいってみます。
24 時間の戦場
コンビニの夜勤バイトって、結構キツいらしいんですよね。
時給は昼より高いけど、変な客は多いし、一人で店を回さなきゃいけないし。
でも、人間観察には最高の職場かもしれません。
深夜 2 時の来客たち
大学生の田中くんが、今夜も「ファミマート」でバイト中。
まずは定番の客から。
酔っ払いのサラリーマン「(フラフラしながら)おーい、店員さん」
田中くん「はい、いらっしゃいませ」
酔客「からあげくん、ある?」
田中くん「申し訳ございません、からあげくんは当店では…」
酔客「え?ファミマでしょ?」
田中くん「いえ、こちらローソンです」
酔客「あれ?看板見間違えた?ごめんごめん」
よく見ると、確かにローソンの看板。
田中くん「(心の中で)毎日このパターン…」
深夜の常連たち
続いて入ってきたのは、毎晩来る夜勤明けの看護師さん。
看護師さん「お疲れ様!いつものお弁当ある?」
田中くん「あ、山田さん。今日もお疲れ様でした。唐揚げ弁当ですね」
看護師さん「ありがとう。あ、それと栄養ドリンクも」
田中くん「リポビタン D ですね」
看護師さん「田中くん、いつも気が利くね。コンビニ店員やってるのもったいないよ」
田中くん「いや、まだ大学生なんで」
看護師さん「え、大学生?もっと年上かと思った。しっかりしてるから」
田中くん「ありがとうございます(照)」
謎の客たち
3 時頃、変わった客がやってきた。
怪しい男性「あの…防犯カメラって、どの辺り映ってます?」
田中くん「え?」
怪しい男性「いや、その…プライバシー的に気になって」
田中くん「(警戒しながら)一応、店内全体をカバーしてますが…」
怪しい男性「そうですか…じゃあ、ガムひとつ」
なんか変だったけど、特に何もせずに帰っていく。
田中くん「(独り言)なんだったんだろ…」
エスカレートする珍客
4 時、今度は奇妙な注文をする客。
変な客「これ(お弁当を指差して)温めないでください」
田中くん「あ、はい」
変な客「それと、お箸もいりません」
田中くん「かしこまりました」
変な客「レジ袋も要りません」
田中くん「環境に配慮していただき、ありがとうございます」
変な客「手で食べるんです」
田中くん「…はい?」
変な客「野生に帰る練習をしてるんです」
田中くん「(絶句)…は、はあ…」
朝方の安らぎ
6 時、朝の常連客がやってきた。
おじいさん「おはよう。いつもの」
田中くん「おはようございます。日経新聞と缶コーヒーですね」
おじいさん「毎日ご苦労さんだな」
田中くん「いえいえ」
おじいさん「夜勤は体に悪いから、無理するなよ」
田中くん「ありがとうございます。気をつけます」
温かい言葉にホッとする田中くん。
衝撃の事実
7 時、シフト交代の時間。
同僚の佐藤さんがやってきた。
佐藤さん「お疲れ!今夜はどうだった?」
田中くん「変な客ばっかりでしたよ。野生に帰るとか言って手で弁当食べる人とか」
佐藤さん「ああ、あの人ね」
田中くん「知ってるんですか?」
佐藤さん「あの人、実は有名な精神科医なんだよ」
田中くん「え!?」
佐藤さん「ストレス発散法を実践してるらしい。論文にも書いてるって」
田中くん「そんな…」
佐藤さん「それより、防犯カメラのことを聞いてきた人、いなかった?」
田中くん「いました!怪しい人が」
佐藤さん「あの人、警備会社の人で、防犯システムの点検に来たんだよ」
田中くん「えぇぇ!じゃあ、俺が一番変な客だったってことですか」
佐藤さん「みんな普通の人で、君だけが疑心暗鬼になってただけ」
まとめ
先入観って怖いですね。深夜だから変な客が多いと思い込んでいると、普通の人まで変に見えてしまう。コンビニ夜勤の大変さを描こうとしたら、自分の思い込みの話になってしまいました。でも、これはこれで現代的なオチかも。今回は 82 点!意外と気に入ってます。


