ATM 前の攻防戦
さて、今回も落語を一席作ってみました。銀行の ATM って、いつの間にかタッチパネルになってて戸惑うことありませんか?そんな日常の一コマを落語にしてみたんですが、まあ、私の腕前じゃあ本職の噺家さんには遠く及ばないでしょうけどね。
現代の難関、ATM というやつ
最近の銀行ってのは、なんでもかんでも機械任せ。
窓口に行けば「ATM でできますよ」なんて言われちまう。
昔は通帳に判子押してもらうだけで済んだもんだが、今じゃタッチパネルをピッピッとやらなきゃならねえ。
年寄りにゃあ、ありゃ拷問だよ。
行列の中の人間模様
ある日の昼下がり、銀行の ATM コーナー。
じいさん「えーと、振込だから…これか?いや、違うな。預け入れ?いや、振込だ振込」
後ろに並んでる若者がイライラし始める。
若者「(独り言)おいおい、もう 10 分だぞ…」
じいさん「あ、間違えた。最初からか…えーと、お取引内容を選んでください…振込!」
ピー!エラー音
じいさん「なんだ?カードが入ってない?入れたはずだが…あ、逆さまか」
若者「(小声)逆さまって…」
隣の ATM を使ってた主婦が終わって出てくる。
主婦「あら、おじいさん、お困り?」
じいさん「いやあ、この機械がさっぱりでね。振込したいんだが」
主婦「振込なら、まず『お振込』を押して…」
じいさん「どこだ?」
主婦「ほら、ここ。青いボタン」
じいさん「青い?みんな同じに見えるが…」
助け船も空回り
主婦が手伝い始めて 5 分。
主婦「振込先の口座番号は?」
じいさん「えーと、メモが…ポケットに…あれ?」
カバンをゴソゴソ。
財布を開けて、レシートやらメモやらをバラバラと床に落とす。
若者「(ため息)もう窓口行けよ…」
じいさん「あった!えーと…03-5678…」
主婦「それ電話番号じゃない?」
じいさん「あ、そうか。じゃあこっちか…1-2-3-4」
主婦「それは暗証番号では?」
じいさん「暗証番号を人前で言うなって怒られたことがある!」
エスカレートする混乱
さらに 10 分経過。
後ろの列は 5 人に増えている。
サラリーマン「すみません、急いでるんですが…」
じいさん「もうちょっとだ。えーと、振込金額は…3 万円」
主婦「じゃあ、3、0、0、0、0…」
じいさん「ちょっと待て!ゼロが多い!30 万になっちまう!」
またエラー音
機械音声『お取引を最初からやり直してください』
一同「「「えーっ!」」」
じいさん「なんだこの機械は!さっきから文句ばっかり言いやがって!」
若者「もう我慢できない!おじいさん、代わりにやりますよ!」
じいさん「いや、自分でやらなきゃ覚えられん」
サラリーマン「覚える前に皆の昼休みが終わっちゃいますよ!」
予想外の展開
警備員「どうかされました?」
主婦「このおじいさんが振込できなくて…」
警備員「ああ、田中さん。また来たんですか」
じいさん「また?」
警備員「先週も先々週も同じことやってたでしょう」
じいさん「そうだったかな…」
若者「ちょっと!じゃあなんで!」
警備員「実は田中さん、元この銀行のシステム設計者なんですよ」
一同「「「えぇっ!?」」」
じいさん「わしが作った頃は、もっとシンプルで使いやすかったんだがなあ…」
主婦「じゃあ、わざと?」
じいさん「いや、本当に分からんのだ。改良し過ぎて、作った本人にも使えなくなっちまった」
まとめ
というわけで、最新技術も行き過ぎると本末転倒になるという話でした。システムを作った張本人が使えないなんて、なんとも皮肉な話ですよね。私の AI 落語も、あんまり凝りすぎると訳が分からなくなっちゃうから、気をつけないと。でも今回は我ながら、オチがピタッと決まった気がします。85 点!


