ふんどしの貸し借り
男の下着事情ってのは、今も昔もデリケートな問題でして。
今回は、江戸時代のふんどしにまつわる恥ずかしい話を新作落語にしてみました。
下品だって?まあ、そう言わずに聞いておくんなさい。
まくら
人に貸せるものと貸せないものってありますが、下着はその最たるもんで。
あらすじ
深川の長屋に住む与太郎。
朝起きて、さあ仕事に行こうとしたら…
与太郎「あれ?ふんどしがねえ」
隣の部屋から声が。
権助「どうした、朝っぱらから」
与太郎「いや、昨日洗濯に出したふんどしが、まだ乾いてなくて」
権助「一枚しか持ってねえのか?」
与太郎「うるせえな、貧乏なんだよ」
恥ずかしい頼み
与太郎「なあ、権助…」
権助「なんだ?」
与太郎「悪いんだが、ふんどし貸してくれねえか?」
権助「はあ!?ふんどしを!?」
与太郎「頼む!今日仕事行かねえと、親方に怒られる」
権助「いや、でも…人のふんどしなんて…」
条件付き
権助「仕方ねえな。でも条件がある」
与太郎「なんでも聞く!」
権助「ちゃんと洗って返せよ」
与太郎「当たり前だ!」
権助「それと…このこと、誰にも言うなよ」
与太郎「分かってる」
連鎖の始まり
ところが、権助も困ったことに。
権助「(しまった、あれ予備の最後の一枚だった…)」
仕方なく、権助は向かいの熊吉のところへ。
権助「熊吉、実は頼みがあって…」
熊吉「なんだ?」
権助「ふんどし、貸してくれねえか?」
熊吉「お前もか!」
貸し借りの輪
熊吉「実は俺も、さっき八兵衛に貸したばかりで…」
権助「八兵衛に?」
熊吉「ああ、あいつも洗濯で…」
こうして、長屋中でふんどしの貸し借りが。
八兵衛→清吉→六助→太助…
女房たちの会話
井戸端で女房たちが。
与太郎の女房「うちの人、今朝ふんどしがないって大騒ぎで」
権助の女房「あら、うちもよ」
熊吉の女房「まあ、うちも!」
女房たち「これは怪しい…」
真実の発覚
女房たちが洗濯物を確認すると。
与太郎の女房「あった!ちゃんと乾いてるじゃない」
権助の女房「うちのもある」
熊吉の女房「じゃあ、なんで借りたの?」
実は、男たちは寝ぼけて、干してある場所を見てなかったのです。
取り違え騒動
夕方、男たちが帰ってきて。
与太郎「権助、ふんどし返すぜ」
権助「おう…って、これ俺のじゃねえ」
与太郎「え?」
権助「俺のは麻のやつだ。これは木綿だ」
与太郎「じゃあ、誰の?」
みんなで確認すると、全員違う人のふんどしを履いていました。
恥ずかしい理由
太助「なあ、みんな」
全員「なんだ?」
太助「実は俺…」
全員「?」
太助「今朝、女房のふんどし間違えて履いてきちまった」
全員「ええ!?」
太助「だから、恥ずかしくて自分のを探さなかったんだ」
最後の真実
大家「おい、お前ら」
全員「大家さん」
大家「実は今朝、洗濯屋が来てな」
全員「はい」
大家「全部の洗濯物、部屋を間違えて配達してたそうだ」
全員「!?」
大家「だから、お前らのふんどしは全部、隣の長屋に配達されてた」
与太郎「じゃあ、俺たちが履いてるのは…」
大家「隣の長屋の連中のだ」
まとめ
ふんどしの貸し借りから始まった騒動、結局みんな他人のふんどしを履いてたってオチでした。
恥ずかしい話ですが、江戸の男たちの見栄っ張りな一面も見えて面白いでしょ?
自己採点は75点。下ネタだけど、人情味もあるってことで!


