へそ曲がりの布団
世の中には、つまらんことに意地を張る人間がおりまして。
今回は、そんな頑固者の話を新作落語にしてみました。
こんな変な話ばっかり思いつく自分も、相当なへそ曲がりかもしれません。
まくら
意地っ張りも度が過ぎると困りもんで
あらすじ
大阪は天満の裏長屋。
ここに権助という、とんでもない頑固者が住んでおりました。
隣の長屋の男「権助はん、また変なこと言うてるらしいな」
向かいの女房「なんでも、布団使わへんて言うてるそうやで」
男「この寒いのに?アホちゃうか」
頑固者の言い分
心配した長屋の連中が、権助の家を訪ねました。
大家「権助、ほんまに布団使ってへんのか?」
権助「使ってまへん」
大家「なんでや?」
権助「布団なんちゅうもんは、軟弱者が使うもんや」
隣人「何を言うてんねん。風邪ひくで」
権助「わしは生まれてこの方、風邪なんかひいたことあらへん」
説得の試み
みんなで代わる代わる説得を試みます。
女房連中「権助はん、そない意地張らんと、布団使いなはれ」
権助「いらん言うてるやろ」
商店主「ほな、わしとこの古い布団やるわ」
権助「いらんもんはいらん!」
医者「権助さん、医者として言いますが、この寒さで布団なしは体に毒ですぞ」
権助「医者が儲けたいだけやろ」
様々な作戦
長屋の連中は、なんとか権助に布団を使わせようと作戦を練りました。
作戦その一:こっそり作戦
夜中に忍び込んで、寝ている権助に布団をかけようとしたが…
権助「誰や!泥棒か!」
隣人「ち、ちゃうちゃう!布団かけたろ思て…」
権助「余計なお世話や!」
作戦その二:賭け作戦
賭け好きの権助の性格を利用して…
大家「権助、賭けせえへんか?」
権助「なんの賭けや?」
大家「今夜一晩、布団で寝れるかどうか」
権助「アホか!そんなん楽勝や!」
でも、権助は布団で寝ることを拒否。
作戦その三:美人作戦
長屋一の美人、お梅さんに頼んで…
お梅「権助はん、布団で寝てくれはったら、お酒おごりますわ」
権助「…」
お梅「ね?お願い」
権助「酒は欲しいが、布団はいらん!」
真冬の夜
とうとう真冬の一番寒い夜がやってきました。
隣人「おい、権助の家から音がせえへんぞ」
大家「まさか、凍え死んだんちゃうか?」
みんなで権助の家に駆け込むと…
一同「権助!大丈夫か!」
すると、部屋の隅で権助がガタガタ震えていました。
権助「さ、さぶい…」
大家「ほら見ぃ!だから言うたやろ!」
医者「すぐに布団を!」
みんなで布団を持ってきて、権助にかけました。
意外な告白
布団にくるまれて、ようやく人心地ついた権助。
大家「なあ権助、なんでそない布団を嫌がるんや?」
権助「実は…」
一同「実は?」
権助「子供の頃、布団の中でおねしょして、親父にめちゃくちゃ怒られてな…」
隣人「そんな昔の話かいな」
権助「それ以来、布団見ると、つい…なんや…したなるねん」
女房連中「まあ!ええ歳して!」
医者「それは…治療が必要ですな」
最後の真実
大家「でも権助、今は布団に入ってるやないか」
権助「それが…さっき、つい…」
一同「つい?」
権助「もうしてもうた」
まとめ
結局、意地張ってたのは子供の頃のトラウマが原因で、最後は結局おねしょしちゃったってオチでした。
ええ歳した大人の話としては情けないですが、まあ人間誰しも弱いところはあるってことで。
自己採点は95点!下ネタに逃げたって言われそうですが、これも落語の味ってことで勘弁してください。


