焼き鳥の取り合い
飲み屋での客同士の喧嘩は、食べ物の取り合いから始まることもあります。
今回は、焼き鳥を巡る客同士の争いを関西弁でお届けします。
お酒が入ると、些細なことでも大事になってしまうものですね。
最後の焼き鳥を巡る争い
飲み屋で最後の焼き鳥を巡って客同士が喧嘩を始めるお話です。
あらすじ
関西の飲み屋で、二人の客が隣り合わせで飲んでいた。
客A「親父、焼き鳥頼むわ」
親父「焼き鳥やね。何本にしまひょ?」
客A「5本やな」
親父「5本やね」
客B「俺も焼き鳥」
親父「焼き鳥やね。何本?」
客B「5本や」
親父「5本やね」
しばらくして、親父が困った顔で戻ってきた。
親父「すんません、焼き鳥、9本しかあらへんねん」
客A「9本?」
親父「はい、材料が足りんくて」
客B「9本か」
親父「どないしまひょ?」
客A「9本やったら、俺が5本もらうわ」
客B「ちょっと待てや」
客A「何や?」
客B「俺も5本頼んだやろ」
客A「頼んだけど、9本しかないやんけ」
客B「だから?」
客A「だから、俺が先に頼んだから、俺が5本もらうねん」
客B「先に頼んだ?」
客A「そうや」
客B「そんなもん、関係あらへんやろ」
客A「関係あるわ」
客B「関係あらへん」
客A「あるって言うてるやろ」
客B「あらへんって言うてるやろ」
親父「お二人とも、4本ずつと5本でどないでっか?」
客A「4本ずつ?」
親父「はい、4本ずつやったら8本、残り1本は…」
客B「残り1本はどないするねん?」
親父「半分にしまひょか」
客A「半分?」
親父「はい、半分こや」
客B「焼き鳥を半分?」
親父「はい」
客A「そんなもん、半分にしたら焼き鳥やないやろ」
客B「そやな」
親父「そやったら、どないしまひょ?」
客A「俺が5本もらうわ」
客B「なんで?」
客A「俺が先に頼んだからや」
客B「またそれか」
客A「そうや」
客B「そんなもん、理由にならへんやろ」
客A「理由になるわ」
客B「ならへん」
客A「なる」
客B「ならへん」
二人は立ち上がった。
親父「まあまあ、お二人とも」
客A「親父、こいつに先着順の何たるかを教えてやってくれ」
親父「先着順?」
客A「そうや」
客B「先着順やったら、俺の方が早よ店に来たで」
客A「店に来た?」
客B「そうや、俺の方が早よ来たんや」
客A「それと焼き鳥と何の関係があるねん?」
客B「関係あるやろ」
客A「あらへんやろ」
客B「あるって言うてるやろ」
客A「あらへんって言うてるやろ」
親父「お二人とも、何で喧嘩してまんねん?」
客A「焼き鳥や」
親父「焼き鳥?」
客B「そうや」
親父「焼き鳥で何で喧嘩してまんねん?」
客A「こいつが俺の焼き鳥を取ろうとするからや」
客B「取ろうとしてへん」
客A「してるやろ」
客B「してへん」
親父「ちょっと待ってや」
客A「何や?」
親父「お二人とも、焼き鳥まだ焼けてへんで」
客A「焼けてへん?」
親父「はい、今焼いてるとこや」
客B「今焼いてる?」
親父「はい」
客A「じゃあ、まだ焼き鳥あらへんやんけ」
親父「そうですわ」
客B「あらへんのに、何で取り合いしてるねん」
親父「そやな」
客A「そやな」
客B「何で喧嘩してたんやろ」
親父「お二人とも、焼き鳥の取り合いやのうて、やき(焼き)もち(餅)の取り合いやったんちゃいまっか」
客A「やきもち?」
親父「はい、焼き鳥に対する やきもちや」
まとめ
いかがでしたでしょうか。
飲み屋での客同士の喧嘩を、焼き鳥の取り合いから始まる争いとして関西弁で表現してみました。
オチの「焼き鳥」と「やきもち」をかけた言葉遊びです。
まだ焼けていない焼き鳥を巡って喧嘩するという、お酒が入った時の人間の滑稽さが面白く描けたでしょうか。
今回は68点くらいでしょうか。


