初詣旅行其の二
前回大迷子になった与太郎が、今度は地図を持参して初詣に挑戦。
でも、地図の見方を間違えると、かえって大変なことになってしまいます。
方向音痴に地図を持たせるのは、火に油を注ぐようなものかもしれません。
地図を逆さまに見る男
今度こそ迷わないように地図を持参した与太郎。
でも、地図の向きを間違えると、とんでもないことになります。
あらすじ
前回の大迷子に懲りた与太郎が、今度は地図を持参することにした。
与太郎:「今度は地図があるから、絶対に迷わない」
友人:「地図?」
与太郎:「そうだ、日本地図を買った」
友人:「それは頼もしいな」
与太郎:「これで神田明神まで一直線だ」
友人:「神田明神は近いから、地図なんて必要ないと思うが」
与太郎:「用心に越したことはない」
友人:「まあ、そうだな」
—
与太郎は地図を片手に出発した。
与太郎:「えーと、地図によると、まず南に向かう」
しかし、与太郎は地図を逆さまに持っていた。
与太郎:「南はこっちだな」
実際は北に向かって歩いている。
与太郎:「地図があると安心だ」
通行人:「すみません、どちらへ?」
与太郎:「神田明神です」
通行人:「神田明神なら、逆方向ですよ」
与太郎:「いえ、地図を見ると、こっちです」
—
与太郎は地図を見せた。
通行人:「あの、地図が逆さまですよ」
与太郎:「逆さま?」
通行人:「はい、上下が逆になってます」
与太郎:「でも、これが正しい向きだと思います」
通行人:「いや、明らかに逆さまです」
与太郎:「地図屋さんが間違えて作ったんでしょう」
通行人:「間違えてません、あなたが逆さまに見てるんです」
与太郎:「そんなはずはありません」
—
与太郎は地図を信じて、どんどん北に向かった。
与太郎:「地図によると、もうすぐ神田明神のはず」
しかし、着いたのは遠い村だった。
与太郎:「あれ?神田明神がない」
村人:「神田明神?それは江戸の話でしょう」
与太郎:「江戸?ここは江戸じゃないんですか」
村人:「ここは奥州です」
与太郎:「奥州!?」
—
与太郎:「地図を見ると、まだ南に行けば神田明神があるはず」
村人:「南に行ったら、もっと遠くなりますよ」
与太郎:「でも、地図が」
村人:「その地図、逆さまじゃないですか」
与太郎:「みんなそう言うけど、地図屋が間違えたんです」
村人:「間違えてません、あなたが逆さまに見てるんです」
与太郎:「そんなことありません」
—
与太郎は地図を信じて、さらに旅を続けた。
与太郎:「地図によると、この先に神田明神があるはず」
しかし、着いたのは海だった。
与太郎:「海?」
漁師:「ここは津軽海峡です」
与太郎:「津軽海峡?」
漁師:「そうです、本州の北の端です」
与太郎:「北の端?」
漁師:「神田明神なら、南に戻らないと」
与太郎:「でも、地図では」
—
結局、与太郎は日本中を逆回りしてしまった。
与太郎:「地図を頼りに歩いたら、日本一周してしまった」
友人:「日本一周?」
与太郎:「そうだ、津軽海峡から九州まで」
友人:「それは大旅行だな」
与太郎:「でも、神田明神にはたどり着けなかった」
友人:「当たり前だ、地図が逆さまだったから」
与太郎:「やっぱり逆さまだったのか」
—
与太郎の話が評判になった。
書店:「与太郎さん、旅行記を書いてもらえませんか」
与太郎:「旅行記?」
書店:「日本一周の体験談です」
与太郎:「でも、迷子になっただけです」
書店:「それが面白いんです」
与太郎:「面白い?」
書店:「『逆さま地図で日本一周』という本にしませんか」
与太郎:「それは面白そうですね」
—
結局、与太郎は旅行作家として有名になった。
与太郎:「迷子になったのに、作家になってしまった」
友人:「でも、面白い本だった」
与太郎:「次は何を書こうかな」
友人:「今度は正しい地図で旅行記を」
与太郎:「正しい地図?」
友人:「逆さまじゃない地図だ」
与太郎:「でも、逆さまの方が面白い旅ができる」
友人:「面白いけど、時間がかかりすぎる」
与太郎:「時間がかかるからこそ、いい旅になる」
友人:「それも一理あるな」
まとめ
地図を逆さまに見て日本一周してしまった与太郎。
でも、それが旅行作家としての成功につながりました。
間違いも極めれば、それが新しい価値を生み出すという話でした。


