屋台魚屋其の二
前回「生き返り魚屋」として有名になった源七が、また新しいアイデアを思いつきました。
今度は魚に名前をつけて親しみやすくしようという作戦。
でも、名前をつけすぎると、別の問題が発生してしまいます。
魚に名前をつける屋台
魚に名前をつけて親しみやすくするという発想。
でも、親しみすぎると、食べるのが可哀想になってしまいます。
あらすじ
前回の騒動で「生き返り魚屋」として有名になった源七が、新しいアイデアを考えていた。
源七:「今度は違うアプローチでいこう」
友人:「また何か考えてるのか」
源七:「魚に名前をつけるんだ」
友人:「名前?」
源七:「そうだ、魚に名前をつけて親しみやすくする」
友人:「それで客が買いやすくなるのか」
源七:「親しみを持ってもらえれば、きっと」
友人:「なるほど」
—
源七は魚に名前をつけて売り始めた。
源七:「いらっしゃい、今日は太郎というサバがいます」
客:「太郎?」
源七:「はい、とても人懐っこいサバです」
客:「人懐っこい?」
源七:「こうやって手を振ると、尻尾を振り返します」
客:「本当だ、可愛いな」
源七:「でしょう?太郎はいかがですか」
客:「太郎を?」
—
源七:「それから、こちらは花子というアジです」
客:「花子?」
源七:「とても美人のアジです」
客:「美人?」
源七:「目がぱっちりしてるでしょう」
客:「確かに、可愛い目をしてる」
源七:「花子はいかがですか」
客:「花子を食べるの?」
源七:「はい、新鮮ですから」
客:「でも、名前がついてると」
—
客:「太郎や花子を食べるって、なんか可哀想だな」
源七:「え?」
客:「名前を聞いちゃうと、食べにくい」
源七:「そうですか?」
客:「うん、ペットみたいに感じる」
源七:「でも、魚ですよ」
客:「魚でも、名前がついてると愛着が湧く」
源七:「愛着?」
客:「そうだ、太郎と花子を飼いたい」
—
源七:「飼う?」
客:「はい、家で飼えませんか」
源七:「魚を飼うんですか」
客:「太郎と花子が可愛いから」
源七:「でも、魚は食べ物で」
客:「食べ物じゃなくて、友達です」
源七:「友達?」
客:「太郎、花子、元気でね」
客は魚を買わずに帰っていった。
—
次の客も同じような反応だった。
客 B:「この魚、名前は?」
源七:「三郎というイワシです」
客 B:「三郎?可愛い名前だな」
源七:「はい、とても元気なイワシです」
客 B:「元気なのに、食べるの?」
源七:「はい、新鮮ですから」
客 B:「でも、三郎が可哀想だ」
源七:「また?」
客 B:「三郎を大切にしてあげて」
—
結局、魚に名前をつけたせいで、誰も買わなくなってしまった。
源七:「名前をつけたら、売れなくなった」
友人:「何故だ?」
源七:「みんな、魚に愛着を持ってしまう」
友人:「愛着?」
源七:「名前がついてると、食べるのが可哀想になるらしい」
友人:「それは困った」
源七:「太郎、花子、三郎…みんな売れ残りだ」
友人:「どうする?」
—
源七:「そうだ、魚のペット屋にしよう」
友人:「ペット屋?」
源七:「魚を食べ物じゃなくて、ペットとして売る」
友人:「そんなことできるのか」
源七:「みんな飼いたがってるから」
友人:「でも、魚をペットに?」
源七:「金魚みたいなものだ」
—
源七は「魚のペット屋」として商売を始めた。
源七:「いらっしゃい、今日は太郎が元気です」
客:「太郎、元気?」
源七:「はい、とても人懐っこいサバです」
客:「飼えますか」
源七:「はい、水槽も一緒にどうぞ」
客:「太郎、よろしくね」
源七:「太郎も喜んでます」
—
魚のペット屋は意外に繁盛した。
源七:「まさか、魚をペットとして売ることになるとは」
友人:「でも、客は喜んでるな」
源七:「太郎、花子、三郎、みんな飼い主が見つかった」
友人:「良かったじゃないか」
源七:「でも、魚屋から魚のペット屋になるとは」
友人:「時代の変化だな」
源七:「次は、どんな名前をつけようかな」
客:「源七さん、次郎という魚はいますか」
源七:「次郎?います、います」
まとめ
魚に名前をつけて親しみやすくしたら、客が食べるのを嫌がってしまいました。
でも、魚のペット屋として商売替えして成功。
発想の転換で、どんな失敗も成功に変わるという話でした。


