海外商売其の二
前回、海外商売で失敗した与兵衛が、また新しい作戦を考えました。
今度は自分が外国人になって商売をしようという、さらに無謀な挑戦です。
でも、外国人の真似をするのも一筋縄ではいかないようで。
外国人になりきる商売作戦
日本人が外国人の真似をして商売するなんて、考えただけで怪しい。
でも、本人は真剣なのが、また面白いところです。
あらすじ
前回の失敗で懲りた与兵衛が、新しい作戦を考えていた。
与兵衛:「今度は違う方法で海外商売をやる」
番頭:「また海外商売ですか」
与兵衛:「そうだ、今度は俺が外国人になる」
番頭:「外国人になる?」
与兵衛:「外国人の格好をして、外国人として商売する」
番頭:「でも、旦那は日本人でしょ」
与兵衛:「見た目が外国人なら、大丈夫だ」
番頭:「そんな簡単なものですか」
—
与兵衛は外国人の服装を真似した。
与兵衛:「どうだ、外国人に見えるか」
番頭:「それは…」
与兵衛:「帽子をかぶって、マントを羽織って」
番頭:「変な格好ですね」
与兵衛:「変じゃない、外国風だ」
番頭:「でも、話し方はどうするんですか」
与兵衛:「外国語を話す」
番頭:「外国語なんて知らないでしょ」
与兵衛:「適当に話せばいい」
—
与兵衛は外国人になりきって商売を始めた。
与兵衛:「ハロー、アイアム外国人デス」
客:「なんだ、この人」
与兵衛:「マイネーム、与兵衛…じゃなくて、ヨベエ」
客:「ヨベエ?」
与兵衛:「外国人デス、商売シマス」
客:「日本語うまいな」
与兵衛:「日本語、勉強シマシタ」
客:「でも、変な格好だな」
—
客:「何を売ってるんだ」
与兵衛:「外国ノ商品、売リマス」
客:「外国の商品?」
与兵衛:「ハイ、コレハ外国ノ醤油デス」
客:「醤油?外国に醤油があるのか」
与兵衛:「アリマス、外国ノ醤油、美味シイデス」
客:「でも、これ普通の醤油じゃないか」
与兵衛:「イエイエ、外国ノ醤油デス」
客:「嘘だろ」
—
客:「あんた、本当に外国人か」
与兵衛:「ハイ、外国人デス」
客:「どこの国の人だ」
与兵衛:「エート、外国デス」
客:「外国って、どこの外国だ」
与兵衛:「トオイ外国デス」
客:「具体的には?」
与兵衛:「ソノ…トテモ遠イ外国デス」
客:「怪しいな」
—
結局、客は誰も与兵衛の商品を買わなかった。
与兵衛:「なんで売れないんだ」
番頭:「外国人に見えないからでしょ」
与兵衛:「見えないのか?」
番頭:「変な格好をした日本人にしか見えません」
与兵衛:「変な格好?」
番頭:「帽子とマントが変です」
与兵衛:「これが外国風だ」
番頭:「でも、話し方も変です」
—
与兵衛:「話し方も外国風だ」
番頭:「でも、完全に日本語でしょ」
与兵衛:「外国語だ」
番頭:「どこが外国語ですか」
与兵衛:「語尾にデスをつけてる」
番頭:「それは敬語です」
与兵衛:「敬語?」
番頭:「外国語じゃありません」
—
そんな与兵衛を見て、別の客がやってきた。
客:「面白い人だな」
与兵衛:「面白い?」
客:「その格好と話し方、笑える」
与兵衛:「笑える?」
客:「芸人みたいだ」
与兵衛:「芸人?」
客:「お金を払うから、もっとやってくれ」
与兵衛:「お金を?」
客:「その外国人の真似、面白い」
—
結局、与兵衛は外国人の真似で芸人になった。
与兵衛:「ハロー、アイアム変ナ外国人デス」
客:「はははは」
与兵衛:「外国ノ商品、売リマス」
客:「面白い」
与兵衛:「コレハ外国ノ醤油デス」
客:「普通の醤油じゃないか」
与兵衛:「バレマシタ」
客:「正直でいいな」
—
与兵衛は「変人商法」として有名になった。
与兵衛:「外国人になるつもりが、芸人になった」
番頭:「でも、お金は稼げるようになりましたね」
与兵衛:「そうだな」
番頭:「海外商売も、これはこれで成功でしょう」
与兵衛:「海外商売?」
番頭:「外国人の真似で稼いでるから、海外商売です」
与兵衛:「なるほど、そうか」
客:「今日も変な外国人やってくれ」
与兵衛:「ハイ、変ナ外国人デス」
まとめ
外国人になりきって商売しようとしたが、変な格好の芸人になってしまいました。
でも、それはそれで商売として成り立つから、結果オーライ。
海外商売も、発想次第でいろんな形があるという話でした。


