お化け病気見舞い
病気見舞いに行ったら、お化けも一緒に見舞いに来ていた。
幽霊にも友達思いの心があるんでしょうか。
でも、お化けの薬は効果が読めない。そんな奇妙な見舞いの話です。
幽霊も友達思い
生きている人間だけでなく、お化けも友達の病気を心配する。
でも、幽霊の薬は一体どんな効果があるのか。
あらすじ
風邪で寝込んでいる源助のもとに、友人の熊五郎が見舞いに来た。
熊:「源助、具合はどうだ」
源助:「ありがとう、熊公。まだ熱が下がらなくて」
熊:「薬は飲んでるのか」
源助:「飲んでるけど、効かないんだ」
熊:「それは困ったな」
源助:「もう三日も寝込んでる」
熊:「早く良くなるといいな」
—
そこへ、もう一人の見舞い客がやってきた。
??:「源助、見舞いに来たぞ」
源助:「え?誰だ」
??:「俺だよ、権兵衛だ」
源助:「権兵衛?でも、お前は去年」
権兵衛:「ああ、死んだけど、友達の見舞いに来た」
熊:「ゆ、幽霊!」
権兵衛:「幽霊で悪いか」
源助:「いや、来てくれてありがとう」
—
権兵衛:「薬を持ってきたぞ」
源助:「薬?」
権兵衛:「こっちの世界の薬だ」
熊:「こっちの世界って、あの世?」
権兵衛:「そうだ、あの世の薬は効くんだ」
源助:「でも、生きてる人間が飲んで大丈夫か」
権兵衛:「大丈夫、たぶん」
源助:「たぶんって」
—
権兵衛:「俺も生きてる時に飲んだことはないから」
熊:「そりゃそうだ」
権兵衛:「でも、あの世では評判の薬だ」
源助:「どんな効果があるんだ」
権兵衛:「体が軽くなる」
源助:「軽くなる?」
権兵衛:「そうだ、とても軽くなる」
熊:「それは良さそうだな」
—
源助は権兵衛の薬を飲んだ。
源助:「うん、苦くない」
権兵衛:「あの世の薬は美味いんだ」
源助:「確かに、なんか体が軽くなってきた」
熊:「本当か」
源助:「あれ、なんか手が透けて見える」
熊:「透けて?」
源助:「だんだん透明になってきた」
権兵衛:「ああ、それだ」
—
熊:「おい、源助が消えかけてる」
権兵衛:「あの世の薬は、体を軽くしすぎるんだ」
源助:「軽くなるって、透明になることか」
権兵衛:「そうだ、幽霊みたいになる」
熊:「それじゃ、死んじゃうのか」
権兵衛:「いや、一時的なものだ」
源助:「一時的って、どのくらい」
権兵衛:「一日くらい」
—
源助は完全に透明になってしまった。
源助:「声は聞こえるけど、姿が見えない」
熊:「これは困った」
権兵衛:「でも、風邪は治っただろう」
源助:「確かに、熱は下がった」
熊:「それはいいが、透明じゃ困る」
権兵衛:「明日になれば戻る」
源助:「本当か」
権兵衛:「たぶん」
—
翌日、源助は元の姿に戻っていた。
源助:「おお、見える」
熊:「良かった、元に戻った」
権兵衛:「風邪も治ったし、成功だな」
源助:「でも、透明になるのは困る」
権兵衛:「じゃあ、薬の量を減らそう」
熊:「まだ売るつもりか」
権兵衛:「『一日幽霊薬』として売り出そう」
源助:「誰が買うんだ、そんなもの」
権兵衛:「隠れたい時に便利だろう」
熊:「用途が限定されすぎる」
まとめ
お化けの薬で透明になってしまう患者。
でも風邪は治ったから、薬としては効果あり。
ただし、副作用が強すぎて実用性はなし。
友達思いの幽霊の心遣いは嬉しいけど、薬は現世のものが安心ですね。


