八百屋風呂屋
八百屋と風呂屋の兼業なんて、普通に考えれば無理な話。
でも、発想の転換で思わぬ商売になることもあるものです。
そんな偶然から生まれた奇想天外な商売の話を作ってみました。
野菜と風呂の意外な関係
八百屋が風呂屋を兼業するなんて、衛生的にも問題がありそうですが、
江戸時代なら、なんでもありかもしれません。
あらすじ
八百屋の源助が、商売を拡大しようと考えていた。
源助:「野菜だけじゃ、なかなか儲からない」
女房:「何か他の商売もしますか」
源助:「そうだな。風呂屋なんかどうだ」
女房:「風呂屋?」
源助:「隣の空き地を借りて、風呂を作るんだ」
女房:「でも、野菜と風呂じゃ、全然違うでしょ」
源助:「商売は商売だ」
—
源助は本当に風呂屋を始めた。
源助:「よし、風呂ができた」
女房:「立派な風呂ですね」
源助:「これで八百屋と風呂屋の両方で稼げる」
女房:「でも、お湯を沸かすのが大変じゃない」
源助:「それは毎日やるさ」
女房:「野菜の世話もあるのに」
源助:「大丈夫、要領よくやる」
—
ところが、源助は要領が悪かった。
源助:「野菜を洗うのに、いちいち井戸まで行くのが面倒だ」
女房:「じゃあ、どうします」
源助:「風呂の湯で洗えばいいじゃないか」
女房:「風呂の湯で野菜を?」
源助:「どうせ、まだ客は来ないし」
女房:「それはちょっと…」
源助:「きれいな湯だから大丈夫」
—
源助は風呂の湯で野菜を洗い始めた。
源助:「大根もきれいになったし、人参も」
女房:「でも、それを客が知ったら」
源助:「知らなければ問題ない」
女房:「そういう問題じゃないでしょ」
そこへ、初めての客がやってきた。
客:「風呂屋さんですか」
源助:「はい、いらっしゃい」
—
客が風呂に入ると、なんとなく野菜の匂いがした。
客:「なんか、野菜の匂いがしますね」
源助:「そ、そうですか」
客:「でも、体がぽかぽかして気持ちいい」
源助:「それは良かった」
客:「このお湯、何か特別なものを入れてるんですか」
源助:「えーと、その…」
—
翌日、その客がまた来た。
客:「昨日のお湯、すごく良かった」
源助:「そうですか」
客:「肌がすべすべになって」
源助:「それは…」
客:「野菜の成分が入ってるんでしょ」
源助:「あ、はい」
客:「やっぱり。野菜風呂って珍しいですね」
—
噂が広まって、客が増えた。
客 A:「野菜風呂があると聞いて」
客 B:「健康に良いって評判ですね」
客 C:「どんな野菜を使ってるんですか」
源助:「大根、人参、白菜…」
客 D:「薬湯みたいなものですね」
源助:「そ、そうです」
女房:「野菜を洗った副作用で、薬湯になってる」
—
結局、「野菜風呂専門店」として大繁盛した。
源助:「まさか、こんなことになるとは」
女房:「でも、儲かってるからいいじゃないですか」
源助:「今じゃ、風呂屋の方が本業だ」
女房:「八百屋の方は?」
源助:「風呂用の野菜を仕入れる仕事になった」
客:「今日はどんな野菜風呂ですか」
源助:「本日は、キャベツ風呂でございます」
客:「楽しみです」
まとめ
野菜を風呂で洗うという手抜きから、薬湯効果が発見される。
怪我の功名とはこのことですね。
現代でも、野菜風呂なんて健康法があったら流行るかもしれません。
でも、衛生面はちゃんとしてもらいたいものです。


