機械遺産
また新作落語を作ってしまいました。
機械と遺産、文明開化の時代ならではの組み合わせです。
使い方の分からない機械を相続するなんて、現代でもありそうな話ですが。
スマホの使い方が分からない私が言うのもなんですが。
謎の機械を巡る相続争い
あらすじ
文明開化に心酔していた大金持ちの祖父が亡くなり、遺産相続の日がやってきた。
甥:「さて、祖父の遺産は」
番頭:「それが…全部機械なんです」
姪:「機械?」
番頭:「蔵を見てください」
蔵の中は、見たこともない舶来の機械でいっぱいだった。
甥:「なんだこりゃ」
番頭:「祖父様は『これが未来だ』と」
—
親戚一同:「でも、何に使うんだ」
番頭:「説明書は全部英語で…」
甥:「とりあえず動かしてみよう」
大きなレバーを引くと、ガシャンガシャンと音を立てて動き始めた。
姪:「何か出てきた!」
甥:「これは…ただの歯車か」
番頭:「歯車を作る機械でしょうか」
甥:「歯車作ってどうするんだ」
—
次の機械のボタンを押すと、シューッと蒸気が出てきた。
姪:「熱い!」
甥:「蒸気を出すだけ?」
番頭:「風呂でも沸かすんでしょうか」
姪:「機械で風呂沸かすなんて」
さらに別の機械は、ひたすらベルを鳴らすだけ。
リンリンリンリン…
甥:「うるさいだけじゃないか」
—
親戚たちは次々と機械を動かしたが、どれも用途が分からない。
親戚 A:「これは穴を開けるだけ」
親戚 B:「これは糸を巻くだけ」
親戚 C:「これは光るだけ」
番頭:「どれも中途半端ですな」
甥:「祖父は一体何を考えて」
そこへ、祖父の友人という老人がやってきた。
—
老人:「おお、これは懐かしい」
甥:「知ってるんですか」
老人:「これらは全部で一つの機械なんだ」
一同:「えっ?」
老人:「組み合わせると、巨大なオルゴールになる」
姪:「オルゴール!?」
老人:「そう、世界最大のオルゴールを作るのが夢だった」
—
老人の指示で機械を繋げていくと、確かに巨大なオルゴールが完成した。
老人:「さあ、動かしてごらん」
全ての機械が連動して動き始めた。
♪ チャラララ〜ン ♪
美しい音色が蔵中に響いた。
甥:「これが祖父の遺産…」
姪:「売れないじゃない」
番頭:「でも、見世物にはなりそうです」
結局、「世界最大のオルゴール館」として公開することになった。
客:「入場料百文は高くない?」
番頭:「維持費がかかるんです。歯車だけで千個ありますから」
まとめ
バラバラだと思った機械が、実は一つの巨大なオルゴール。
遺産としては微妙ですが、祖父の夢は確かに形になっていました。
でも、もっと実用的なものを残してほしかったというのが本音でしょうね。


