商売居酒屋
性懲りもなく新作落語を作ってしまいました。
商売と居酒屋、どちらも落語の定番ですが、組み合わせると悲惨なことになりました。
まあ、いつものことですね。
商売下手が居酒屋を開いた結果
あらすじ
商売下手で有名な源助が、なぜか居酒屋を開くことにした。
友人:「源助、お前が居酒屋?大丈夫か」
源:「なあに、酒を出して金をもらうだけだろ。簡単だ」
友人:「そんな単純じゃねえぞ」
源:「心配するな。俺は毎日居酒屋に通ってる。客の気持ちがよく分かる」
友人:「それが問題なんだよ」
—
開店初日、源助は張り切っていた。
源:「いらっしゃい!今日は開店記念で一杯サービスだ」
客:「本当か?じゃあもらうよ」
源:「おう、どんどん飲んでくれ」
客:「サービスって、一杯だけだよな」
源:「ケチなこと言うな。二杯でも三杯でもサービスだ」
客:「太っ腹だな!」
—
閉店時間になって、源助は売り上げを数えた。
源:「あれ?百文しかない」
友人:「当たり前だ。ほとんどサービスしてたじゃねえか」
源:「でも、客は喜んでたぞ」
友人:「客が喜んでも、お前が潰れちゃ意味ねえだろ」
源:「そうか…じゃあ明日からは普通に売ろう」
—
翌日、源助は心を鬼にして商売をしようとした。
客:「おい、今日もサービスあるか」
源:「いや、今日からは正規の値段で…」
客:「なんだ、昨日だけか。じゃあ他の店行くわ」
源:「ま、待ってくれ!じゃあ一杯だけ…」
結局、また赤字になった。
—
一週間後、源助は妙案を思いついた。
源:「そうだ、俺が飲まなければいいんだ」
友人:「は?」
源:「実は俺も店の酒を飲んでたんだ」
友人:「自分の店の酒を!?」
源:「だって、客と一緒に飲まないと失礼だろ」
友人:「それじゃ商売にならねえよ」
—
源:「今日から断酒だ。一滴も飲まない」
しかし、客が美味そうに飲んでいるのを見ると…
源:「ちょ、ちょっと味見だけ…」
一口が二口、二口が一合、一合が一升…
友人:「おい源助、また飲んでるじゃねえか」
源:「い、いや、これは毒見で…」
友人:「毒見で一升瓶空けるか!」
結局、源助は自分で在庫を飲み尽くし、店は一ヶ月で潰れた。
まとめ
自分の店の酒を自分で飲んで潰すという、救いようのない話でした。
商売の才能がないのに店を開くという時点で無謀でしたね。
でも、こういう人情味のある店主の店なら、一度は行ってみたい気も…
いや、すぐ潰れるから無理か。


