将棋相撲
いやはや、今回もまた新作落語を作ってしまいました。
将棋と相撲という、どちらも勝負事ではありますが、まるで違うものを組み合わせてみました。
我ながら無茶な組み合わせだと思いますが、まあ聞いてやってください。
長屋の将棋名人と元力士の対決
あらすじ
長屋に住む八っつぁんは、将棋が大の得意。
朝から晩まで将棋盤とにらめっこして、近所じゃ「長屋の羽生」なんて呼ばれている。
八:「おい、熊さん。今日も一局どうだい」
熊:「いやだよ、八っつぁん。あんたとやると、いつも十手で詰まされちまう」
そこへ、隣町から引っ越してきた清七がやってきた。
なんでも元相撲取りで、今は魚屋をやってるという。
清七:「おう、将棋やってんのか。俺も一つ勝負してもらおうか」
八:「ほう、お前さん将棋もやるのかい」
清七:「なに、相撲も将棋も勝負事は同じようなもんだ。土俵の上でも盤の上でも、俺に勝てる奴はいねえ」
—
さて、対局が始まった。
八っつぁんが飛車を動かすと、清七は立ち上がって四股を踏み始めた。
八:「おい、何してんだ」
清七:「準備運動だ。勝負の前には体をほぐさねえとな」
八:「将棋に準備運動なんかいらねえよ」
清七:「そうか?じゃあ始めるか。はっけよーい、のこった!」
清七は将棋の駒を掴むと、盤の上に叩きつけた。
八:「おいおい、そりゃ反則だ。駒は優しく置くもんだ」
清七:「なんだ、投げ技は禁止か。じゃあ押し出しで行くか」
—
清七は自分の歩を前に進めると、八っつぁんの歩を盤の外へ押し出そうとした。
八:「待て待て、将棋は相手の駒を取るもんだ。押し出すんじゃねえ」
清七:「取る?ああ、組み手のことか。よし、がっぷり四つで行こう」
清七は八っつぁんの王将を掴んで持ち上げた。
八:「こら、王将に触るな!それは反則だ」
清七:「反則?まわしを掴んじゃいけねえのか」
八:「まわしじゃねえ、王将だ!」
—
とうとう八っつぁんは怒り出した。
八:「お前、本当に将棋を知ってるのか」
清七:「知ってるさ。土俵の上で戦う勝負だろ」
八:「それは相撲だ!将棋は盤の上で駒を動かすんだ」
清七:「なんだ、そうか。じゃあこの盤が土俵か」
清七は将棋盤の上に片足を乗せた。
八:「やめろ!盤が壊れる」
清七:「心配すんな。俺も最近は魚屋で足腰が弱ってる。せいぜい百五十キロだ」
—
清七が両足で将棋盤の上に立とうとした瞬間、バキッと音がして盤が真っ二つに割れた。
清七:「おっと、土俵が狭すぎたな」
八:「土俵じゃねえ!俺の大事な将棋盤が…」
清七:「悪い悪い。でも勝負は俺の勝ちだな」
八:「何が勝ちだ!」
清七:「だって相手の土俵を壊したら、不戦勝だろ」
八っつぁんは頭を抱えて、その場にへたり込んでしまった。
まとめ
将棋と相撲を混同するという、我ながら無理のある設定でした。
でも、清七のような天然ボケのキャラクターは、落語には欠かせませんね。
将棋盤を土俵と勘違いして割ってしまうオチも、まあ許容範囲…でしょうか。
次はもう少しまともな組み合わせを考えます。たぶん。


