電車の乗り方
まくら
田舎から東京に出てくると、電車の複雑さに驚きますよね。
路線図を見ただけで頭が痛くなります。
今日は、そんな電車初心者の珍道中です。
あらすじ
田舎から東京に出てきた吉田は、初めて山手線に乗ることになりました。
駅員「どちらまで?」
吉田「新宿まで」
駅員「内回りと外回り、どちらですか?」
吉田「うちまわり?そとまわり?」
駅員「新宿なら、どちらでも行けますが」
吉田「じゃあ、内回りで」
ホームに上がると、電車がすぐに来ました。
吉田「おお、すぐ来た」
乗り込もうとすると、人波に押し戻されました。
吉田「うわっ!」
サラリーマン「降りる人が先!」
吉田「す、すみません」
やっと乗り込めました。
吉田「すごい人だな…」
つり革につかまろうとしたら、届きません。
吉田「高いな…」
よろけて、隣の人の足を踏んでしまいました。
乗客「痛い!」
吉田「すみません!」
次の駅で、さらに人が乗ってきました。
吉田「もう無理だろ…」
でも、みんな器用に乗り込んできます。
駅員「もう少し奥へ!」
吉田「奥って、もう動けない…」
ぎゅうぎゅうに押されて、息苦しくなりました。
吉田「これ、毎日なの?」
隣の人「慣れますよ」
やっと新宿に着きました。
吉田「着いた…」
降りようとしたら、また人波に巻き込まれました。
吉田「出られない!」
なんとか降りられましたが、靴が片方脱げていました。
吉田「靴が…」
振り返ると、電車のドアに挟まっていました。
吉田「ちょっと待って!」
でも、電車は発車してしまいました。
駅員「どうしました?」
吉田「靴が電車に…」
駅員「次の駅で回収しますから、連絡先を」
吉田「はい…」
片足で待合室に向かいました。
1時間後、靴が戻ってきました。
駅員「これですか?」
吉田「あ、それです!」
でも、よく見ると自分のとは違う靴でした。
吉田「あれ?これじゃない…」
駅員「え?でも、ドアに挟まってたのは」
吉田「私のはもっと新しくて」
駅員「じゃあ、これは誰の…」
そこへ、別の駅員が来ました。
別の駅員「さっきの方、靴間違えてました」
吉田「え?」
別の駅員「『古い靴が戻ってきた』って」
吉田「ということは…」
駅員「あなたの靴、他の人が履いていったんですね」
吉田「じゃあ、この古い靴で帰るしか…」
駅員「サイズは合いますか?」
吉田「…きついです」
結局、駅の売店でスリッパを買って帰りました。
翌日、会社の同僚に話しました。
同僚「災難でしたね」
吉田「もう電車は懲りた」
同僚「でも、内回りで正解でしたよ」
吉田「なんで?」
同僚「外回りだと、一周しちゃいますから」


