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心眼 落語|あらすじ・オチ「寝ているうちだけよーく見える」意味を解説

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話芸の殿堂-古典落語-心眼
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心眼 落語|あらすじ・オチ「寝ているうちだけよーく見える」意味を解説

心眼(しんがん) は、按摩の梅喜が目の見える夢を見て芸者と浮気しかけるが全て夢だったという人情噺。「寝ているうちだけよーく見える」というオチには、視覚的な「見る」だけでなく自分の本性を「見た」という深い意味も込められています。

項目内容
演目名心眼(しんがん)
ジャンル古典落語・人情噺・夢落ち
主人公按摩の梅喜(ばいき)
オチの種類夢落ち
オチ「寝ているうちだけよーく見える」
テーマ人間の本性・欲望の風刺

3行でわかるあらすじ

弟に侮辱された按摩の梅喜が21日間薬師様に目が見えるよう願掛けをして、目が開いたと思って喜ぶ。
目が見えるようになった梅喜は芸者の小春に誘われて待合に行き、女房と別れて小春と一緒になると言い出す。
しかし女房のお竹に起こされて全てが夢だったと気づき、「寝ているうちだけよーく見える」と苦笑いする。

10行でわかるあらすじとオチ

按摩の梅喜が弟の金公に「どめくら」「脳なし」と罵られて深く傷つく。
悔しがった梅喜は21日間茅場町の薬師様に目が開くよう願掛けをすると決意する。
満願の日に薬師様の前で祈るが目は開かず、「賽銭泥棒」と毒づいていると上総屋の旦那に目が開いていることを教えられる。
喜んだ梅喜は上総屋と一緒に馬道まで帰る途中で芸者の小春に出会う。
小春は目が開いたお祝いをしようと梅喜を富士下の待合に誘い、梅喜も承諾する。
待合で梅喜は化け物のような女房と別れて小春と一緒になると言い出す。
これを聞いたお竹が飛び込んできて梅喜の首にしがみつく。
梅喜が「苦しい、苦しい」と言うとお竹が「どうしたの、お前さん」と揺り起こす。
お竹は「今日が願掛けの初日だよ」と言い、全てが夢だったことが判明する。
梅喜は「めくらてえのは妙なもんだ。寝ているうちだけよーく見える」と皮肉なオチで締める。

解説

「心眼」は、夢落ちという技法を使った古典落語の名作です。
主人公の按摩・梅喜が目の見えない自分への劣等感と、それゆえに抱く願望を夢という形で体験させる構成が巧みです。
弟からの侮辱的な言葉が引き金となって願掛けを始めるという設定も、人間の心理をリアルに描写しています。
夢の中で目が見えるようになった梅喜が、すぐに浮気に走ろうとする描写は、人間の欲望の醜さを辛辣に風刺しています。

最後の「寝ているうちだけよーく見える」というオチは、単なる視覚的な「見る」だけでなく、人間の本性を「見抜く」という心眼の意味も込められており、タイトルとの見事な呼応を見せています。

あらすじ

按摩の梅喜(ばいき)が横浜から馬道の家まで帰ってくる。
顔色が悪いので女房のお竹が聞くと実の弟の金公から「このどめくらめ、この脳なし野郎と」罵られたという。
幼いころめんどうを見た実の弟の仕打ちがくやしくて仕方ないから明日から三、七、二十一日の間、茅場町の薬師様へ目が開くように願を掛けに行くといい寝込んでしまう。

がらり夜が明け梅喜は薬師様へ願掛けのお参りに出かける。
そして今日は満願の日、どうか薬師さまご利益で目を開けてくださいと祈るが一向に開かない。
頭にきた梅喜は二十一日もかかさずお参りに来ているのに目を開けてくれないのは、「賽銭泥棒、やらずぶったくり」だなんて毒づき始める。

ちょうどそこへお参りに来た馬道の上総屋の旦那から「馬鹿野郎、なんてことを言うのだ」と叱られ、目が開いていることを教えてもらう。
喜んで上総屋と一緒に馬道まで帰る途中で人力車に乗った芸者連を見た梅喜が上総屋にお竹と今の芸者とどっちが綺麗かと聞く。

上総屋は呆れて、人三化七とはよく言うが、お竹さんは人無し化十だが、心の美しさは日本一だ、それにひきかえ梅喜は役者も顔負けの男前だ、芸者の小春などはお前にぞっこんだなどと吹き込む。

仲見世から浅草観音堂へ出ると小春に出会う、小春は目の開いたお祝いをするから付き合ってくれと富士横町の富士下にある待合のつり堀へ梅喜を誘う。

一方、上総屋から梅喜の目が開いたことを聞いたお竹は浅草観音へやって来る。
梅喜が小春と連れ添って行くのを見つけて後をつける。
待合の中では梅喜があんな化け物のような女房とは別れて小春と一緒になるなんて言っている。

これを聞いたお竹が飛び込んで、梅喜の胸ぐら、首にしがみつく。
梅喜 「苦しい、苦しい」

お竹 「どうしたの、お前さん」と梅喜を揺り起こす。

お竹 「悪い夢でも見てたんじゃないの、今日が願掛けの初日だよ」

梅喜 「お竹、おれは信心はやめた。
めくらてえのは妙なもんだ。寝ているうちだけよーく見える」


落語用語解説

  • 按摩(あんま) – 盲人が多く就いた職業。体を揉んで治療するマッサージ師で、江戸時代の盲人の主要な生業でした。
  • 薬師様 – 薬師如来。眼病治癒に霊験があるとされ、目の病を治すために参詣する人が多くいました。
  • 願掛け – 神仏に願いを立て、一定期間参拝を続けること。「三七二十一日」は3週間(21日間)の意味です。
  • 夢落ち – すべてが夢だったという形で終わるオチの技法。この噺の核心部分です。
  • 人三化七 – 人間が三分、化け物が七分という意味。容姿の良くない人を表す言葉です。

よくある質問(FAQ)

Q: 「寝ているうちだけよーく見える」というオチの意味は?
A: 盲目の梅喜が夢の中でだけ目が見えたことを指しています。同時に、夢の中で自分の本性(浮気心)を「見た」という皮肉も含まれています。

Q: なぜ「心眼」というタイトルなのですか?
A: 目で見ることではなく、心で物事の本質を見抜く力を「心眼」と言います。梅喜は夢の中で自分の醜い本性を「心眼」で見たという意味が込められています。

Q: 上総屋はなぜ梅喜に嘘を教えたのですか?
A: お竹が「化け物」で芸者の小春が「美人」という嘘は、梅喜を試す意図があったとも解釈できます。結果的に梅喜は夢の中で浮気に走り、本性を現しました。

名演者による口演

  • 三遊亭圓生(六代目) – 昭和の名人。梅喜の心理描写を丁寧に演じ、夢落ちを効果的に決めました。
  • 古今亭志ん朝(三代目) – 軽妙な語り口で、夢と現実の境目を巧みに表現しました。
  • 柳家小三治 – 人間国宝。梅喜の劣等感と願望を深く掘り下げた名演。

関連する落語演目

同じく「夢落ち」を使った古典落語

按摩・盲人が登場する古典落語

人情噺の傑作

この噺の魅力と現代への示唆

「心眼」は、夢落ちという技法を使った古典落語の名作です。盲目の按摩・梅喜が目の見える夢を見るという設定で、人間の欲望と本性を辛辣に描いています。

夢の中で目が見えるようになった梅喜が、すぐに浮気に走ろうとする姿は、人間の醜い本性を風刺しています。献身的に支えてくれた女房お竹を「化け物」と呼ぶ梅喜の姿は、恩を忘れる人間の愚かさを象徴しています。

最後の「寝ているうちだけよーく見える」というオチは、視覚的な「見る」だけでなく、自分の本性を「見た」という深い意味が込められています。

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