【AI落語】102回目のプロポーズ 第3話「仕舞いのない始まり」(新作落語)
恋人がいると知ってもなお、せいやんは諦めません。
むしろ火に油を注いだようなもので、ますます燃え上がっちまいました。
「終わりは始まり」なんて言葉もありますが、この男の場合は「始まりに終わりがない」。
まあ、見てる分には面白いんですがね。
作戦会議
せいやんのアパート。
壁一面に狩子の写真(コンサートのチラシから切り抜いたもの)と、作戦メモが貼られている。
せいやん「よっしゃ、今日は月曜やな。月曜日の作戦は…『月みたいに優しく』作戦や!」
カレンダーを見ると、曜日ごとに違う作戦名が書かれている。
火曜日は「火のような情熱」、水曜日は「水のように清らか」、木曜日は「木のように真っ直ぐ」…。
せいやん「毎日違うアプローチやったら、いつか心に響くやろ!」
スマホが鳴る。鉄やんからだった。
鉄やん「せいやん、もう諦めた方がええで」
せいやん「諦めへん!お義父さんも101回目で成功したやないですか!」
鉄やん「やから義父やないって言うとるやろ。それに相手に恋人がおるなら話は別やで」
せいやん「せやけど、まだ結婚してへんやないですか!」
鉄やん「それは…まあ、そやけどな」
せいやん「チャンスはありまっせ!」
月曜日の失敗
音楽ホールの前。春の陽光が石畳に長い影を落とし、桜の花びらが舞い散る午後。
せいやんが月の形をした巨大なバルーンを持って立っている。
狩子「せいやんさん?何してるんですか?」
せいやん「月曜日なので、月のようにあなたを優しく照らしたくて」
狩子「それで月のバルーン?」
せいやん「はい!でも風が強くて」
その瞬間、強風でバルーンが飛ばされ、せいやんも一緒に引きずられていく。
せいやん「うわあああ!」
狩子「せいやんさん!」
せいやんはそのまま隣のビルの壁に激突した。
火曜日の惨事
翌日、頭に包帯を巻いたせいやんが、今度は松明を持って現れた。
せいやん「火曜日は火のような情熱を!」
狩子「それ、危ないですよ」
せいやん「大丈夫です!練習しました!」
せいやんが松明を振り回すと、自分のズボンに火がついた。
せいやん「熱い!熱い!」
狩子「消火器!」
逃男が消火器を持ってきて、せいやんに向けて噴射。
真っ白な粉まみれになったせいやん。
逃男「火遊びは危険だよ」
せいやん「火曜日だから…」
逃男「ダジャレかよ」
水曜日の水難
水曜日。
せいやんは巨大な水槽を引いてきた。
せいやん「水のように清らかな愛を!」
狩子「何ですかそれ」
せいやん「中に入って、人魚姫のように」
狩子「私が?」
せいやん「いえ、僕が」
せいやんは水槽に飛び込んだが、泳げないことを忘れていた。
せいやん「ぶくぶくぶく…」
狩子「溺れてる!」
逃男と狩子で必死に引き上げる。
逃男「泳げないのに何してるんだ」
せいやん「水曜日だから…」
逃男「もういい」
木曜日の激突
木曜日。
せいやんは大きな丸太を担いできた。
せいやん「木のように真っ直ぐな愛を!」
狩子「重そうですね」
せいやん「愛の重さです!」
丸太を立てようとして、バランスを崩し、そのまま狩子の方へ倒れてきた。
狩子「きゃー!」
逃男「危ない!」
逃男が狩子を抱きかかえて避ける。
丸太は地面に激突。
せいやん「あ…」
逃男「いい加減にしろよ」
せいやん「木曜日なのに…」
金曜日の破産
金曜日。
せいやんは札束の形をした紙の束を持ってきた。
せいやん「金曜日なので、お金…じゃなくて、金のような輝く愛を!」
狩子「紙ですよねそれ」
せいやん「本物は買えませんでした」
逃男「当たり前だ」
せいやん「でも気持ちは本物です!」
風で紙幣もどきが飛び散る。
街中がゴミだらけに。
警官「ちょっと君、ゴミをまき散らさないで」
せいやん「これは愛の…」
警官「罰金5万円」
せいやん「本物のお金が…」
土曜日の土下座
土曜日。
せいやんは土下座していた。文字通り、土の上で。
せいやん「土曜日なので、大地に根差した愛を」
狩子「泥だらけですよ」
せいやん「愛は汚れません!」
逃男「いや、服は汚れてるけど」
せいやんが顔を上げると、顔中泥だらけ。
狩子「顔、拭いてください」
せいやん「これも愛の証です」
逃男「ただの泥じゃん」
日曜日の終幕
日曜日。
せいやんは何も持たずに現れた。
狩子「今日は何もないんですか?」
せいやん「日曜日は…せいやんの日です」
狩子「それで?」
せいやん「僕の名前がせいやんなので、僕自身を捧げます!」
逃男「意味がわからない」
せいやんは突然、その場で踊り始めた。
謎のダンス。
狩子「何してるんですか」
せいやん「せいやんのダンスです!朝日が昇るイメージで!」
逃男「昇ってないよ、沈んでるよ」
鉄やんが通りかかった。
鉄やん「せいやん、何してるんだ」
せいやん「一週間、毎日違うアプローチをしました!」
鉄やん「で、成果は?」
せいやん「ゼロです!」
鉄やん「じゃあ終わりだな」
せいやん「いえ、来週からまた始めます!」
狩子「え?」
せいやん「終わりは始まり!月曜日からまた月のバルーンを!」
逃男「同じことの繰り返しかよ」
せいやん「いえ、今度は満月です!」
狩子「それ、終わりがないやないか!」
まとめ
いやー、せいやんの一週間、見てるだけで疲れましたわ。月曜から日曜まで、毎日違う失敗を繰り返すって、ある意味才能ですよね。特に火曜日の松明で自分に火つけるところは、もう笑うしかない。関西弁になったおかげで、なんか親しみやすくなった気がします。
内容は面白いんやけど、さすがにパターンが見えてきましたな。でも「終わりがない」オチは秀逸でした。
次回も楽しみにしてます。せいやん、どこまで突っ走るんでしょうか。


